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2013年08月23日
Mちゃんの矯正治療 第四回 ~精密検査(2回目)~
前回の検査では写真撮影や歯型の採取などを行いましたが、今回は唾液検査など、矯正治療を開始するにあたってのさらに詳しい検査をするそうです。
毎日充実した中学校生活を送っているMちゃん、部活などで忙しく前回の検査からやや期間が開いてしまいましたが、これからまた頑張って治療を続けてゆきます。
立川駅前にある「ひるま矯正歯科」です。
暑い真夏の季節でしたが、医院に一歩入ると爽やかな雰囲気で、夏休みを利用した子供さんを含め、患者さんが大勢いらしていました。
<診察室にて>
ひるま先生(以下Dr):「こんにちは。今日は、唾液の検査や歯周病などを調べますね。矯正治療を始めるにあたって、Mちゃんのお口の中が虫歯と闘う力がどのくらいあるか、歯周病のリスクはどうか、といったことをきちん把握しておくことは大切ですからね。それから、今日から担当の衛生士が決まりますので、よろしくお願いしますね」
Mちゃん:「はい、よろしくお願いします」
お父様(以下F):「先生、以前にも伺いましたが、矯正のために抜歯した歯を、凍結保存しておくことについてはいかがでしょうか。『どうして抜いてしまったのか』と後で思わないように、将来歯を失った時に移植できれば、と思うのですが」
Dr:「保存をしている人はいるようですが、それを移植したという話は聞いたことがありません。実際移植するのは20~30年後なので予後が悪いということと、高額の費用もかかりますので、歯を失わないようにきちんと手入れをすることの方が有効な方法だと思いますよ」
F:「そうですか。わかりました」
以前から何度も、抜歯した歯の保存のことを質問されているお父様。やはりきれいな歯並びのためとはいえ、大切なお子さんの歯を抜くということは、それだけ親御さんは気になることなのですね。
続いてドクターから歯科衛生士さんにバトンタッチして、精密検査の開始です。
衛生士さん(以下DH):「まず唾液の検査をします。このガムを噛んで出てきた唾液をこの容器に入れてください。5分間で出る量を調べますね」
DH:「3mlですね。この図を見てください(パソコンの画面を見ながら)。
3mlだと量としては少ないので、この点ではMちゃんはむし歯になりやすいタイプということになりますね。噛む力も影響するのですが、多い人だと10ml出る人もいるのですよ」
唾液分泌量が多いほど、エナメル質に多くのイオンを供給できるため、歯の健康が保たれやすいのだそうです。
次に、唾液を試験紙に滴下して、中和する力を調べます。
DH:「5分経過する前にこの青い色になりましたから、アルカリ性ということで中和力は大丈夫ですね。こうやって、虫歯のリスクを調べることができるのですよ」
続いてレントゲンを撮影します。今日撮影するのは「咬翼法」といって、歯の隣接面が重ならないように撮影する方法で、歯と歯の間の虫歯を調べるのに有効な撮影法なのだそうです。同時にパノラマ写真(左下)も撮影します。
Mちゃんはむし歯はないようです。いつもきちんと手入れしている成果です。
DH:「次は歯茎の健康チェックをしますね。歯周病の状態を調べます」
歯と歯茎の境目にプローブというメモリのついた器具を当て、歯周ポケットの深さを測定します。1本の歯につき、表と裏の3か所ずつ、6か所の深さを丁寧に調べてゆき、もう一名で記録します。
DH:「下の前歯の歯茎が少し柔らかく膨れているので、歯肉炎の状態ですね。健康な歯茎はピンク色で内側に入っている感じなので、歯磨きの時に歯茎にもブラシを当ててマッサージをしてください。それから、プローブをあてた時に、出血するところが何か所かあったので、そこも少し弱い状態になっています。ただ。歯周ポケットはどこも3mm以下で正常の範囲でしたので、歯磨きで十分に回復可能ですから、しっかり歯磨きに取り組んでくださいね」
M:「はい、わかりました」
続いて、紫色の染出し液を使って、磨き残しのチェックを行います。
DH:「デコボコの部分はどうしても磨き残しがありますね。この前歯の裏側部分にどうやって歯ブラシを当てるかが大事なので、工夫して歯磨きを頑張ってくださいね」
この状態で、一度口腔内の写真を撮影し、丁寧にクリーニングとフロスを行いました。さらにフッ素液を口に含んで、予防も万全です。
DH:「これで検査は終わりです。次回に、今日と前回行った2回分の検査の結果と、矯正の治療方針について院長から説明があります。それから治療になりますね」
M:「はい。どうもありがとうございました!」
●● 取材を終えて ●● |
矯正治療を開始する前に、こんなにたくさんの精密検査をするとは驚きでした。 レントゲンと口腔内写真、歯型採取が必要であることは知っていましたが、虫歯や歯周病についてもこんなに詳しく調べるとは思いませんでした。 しかしよく考えてみれば、「歯の健康な美しさ」を目指すのが矯正治療ですから、歯並びの綺麗さだけではなく、歯自体の健康を守るのは重要なことです。時々、矯正治療中に器具を着けているため十分な歯磨きができず、むし歯になってしまった、という話を聞くことがありますが、そんなことになっては元も子もありません。 |
投稿者 Kanba : 2013年08月23日 14:52 :