e-矯正歯科.comとは?
3.「医療の質」とは何か?
「医療の質」とは何でしょうか?
我々が「医療の質」をテーマとして取り上げる以上、大前提として、「医療の質」とは何か?ということを問い続けることが重要であると考えています。
「医療の質」とは・・・
- ドクターがしっかりと説明をしてくれること?
- しっかりと治療してもらえること?
- 医院がきれいに掃除されていること?
- 受付を待つ時間が少なくてすむこと?
などなど……
患者さんが考える「医療の質」も様々なのではないでしょうか?
医療の質の評価手法は多数あります。
- ドナベディアンモデル(Structure・Process・Outcomeからの評価)
- 患者満足度(期待値に対する医療サービスの程度)
- ISO等の評価
などが主に挙げられます。(概要を後述していますので参考にしてください)
しかし、これらのモデルは大病院ならともかく、個人医院での導入は、調査規模や資金面からも難しいともいわれており、ホームドクターと呼ばれる個人診療所などには浸透していません。
我々は、このようなモデルではなく、シンプルに、患者さんのコメントを医院サイドに伝えることで、医院サイドが気づき、医療の質の「改善(カイゼン・KAIZEN)」をして頂くというシンプルモデルを提唱しています。
(参考)医療の質の評価手法
1.ドナベディアンモデル(Structure・Process・Outcomeからの評価)
これは、医療の質を議論する際、スタンダードとされる評価手法で、医療の質を"Structure(構造)"、"Process(過程)"、"Outcome(結果)"で評価しようというモデルで、日本医療機能評価機構(http://jcqhc.or.jp/html/)も、このモデルをもとに医療の質を評価しています。
2.患者満足度
患者満足度の定義も様々であるが、患者満足度の要因として、「医療サービスの程度に対する患者の期待」と評価されると考えられる。具体的には、A医院もB医院も技術力や医療サービスの程度は同等であるにもかかわらず、A医院は「すごく技術力の高い医院だから・・・」と紹介されて行ってみるのと、あまり期待をしないで行ったB医院を比較した場合、A医院の場合は、期待が大き過ぎると「なんだこんなものか・・・」と患者満足度が低くなることがある。逆に、B医院ではあまり期待をしていなかったために、「こんなにしてくれるのだ」と患者満足度が高くなるというモデルである。
要は、患者満足度というものは主観的な指標であり、絶対的な評価ではない。実際、矯正歯科治療においては、治療開始から1年から2年程度の治療期間を要す場合が多いが、治療途中と矯正装置をはずす時では、患者満足度は同じ人でも大きく変わるはずである。
また、重要なことは、この患者満足が低いと患者は矯正歯科医院に通うことをやめてしまったりすることがあり、医院に対するロイヤリティが下がり、患者の協力が必要な矯正歯科の治療においては、マイナスの要因が大きくなるものと推測できる。(治療を途中でやめてしまっては、医療の質を評価する以前の問題となってしまう。)
3.ISO等の評価
ISOとは、国際標準化機構と呼ばれるもので、ISO9000シリーズが品質マネージメントシステムに関する国際規格である。矯正歯科医院においては、ISO9001をとっている矯正歯科医院があり、医院サイドが患者に対して、どういう品質、サービスを提供していくのかを組織として方針を定め継続的に改善していく仕組みと言える。
これも、医療の質のひとつといわれている。