e-矯正歯科.com 医院訪問記
目黒青葉台矯正歯科クリニック
院長:宮崎 芳和(ミヤザキ ヨシカズ)
日本矯正歯科学会認定医・インコグニート認定ドクター
インビザライン認定ドクター
〒153-0042 東京都目黒区青葉台1-18-7 プラウドフラット中目黒 109
Phone:03-3463-6550 Official Site:http://meguro-aobadai.jp/
今回の訪問記は、東京都目黒区の目黒青葉台矯正歯科クリニック院長の宮崎先生にお話を伺いました。お洒落な“ナカメ”こと中目黒駅近く、閑静な一角にある矯正歯科です。
宮崎先生は質問にとても丁寧に真摯に答えてくださり、矯正治療最前線の臨床現場の様子が大変よく分かりました。これから矯正治療を始める患者さんにもとても参考になるお話だと思いますので、是非ご覧ください。
- 先生の医院は、通常の矯正治療の他にインコグニート(裏側矯正)や、インビザライン(マウスピース矯正)、外科矯正など、様々な治療法や新しい技術を導入されていらっしゃいますが、実際に治療される患者さんはどういう方が多いのですか。
当院の患者さんは、成人の患者さんの比率がとても高いので、「矯正装置が見えないように」というご希望をよく伺います。成人の患者さんの矯正治療では、お仕事の都合や、ご自身の結婚披露宴のご予定など、治療期間中のQOLもとても大切な要因になってきます。
適切な治療方針で確実な治療結果を得るということと同様に、目立たずに矯正治療をしたいという患者さまのご希望を大切にしていかなければいけないので、成人の患者さんの多い当院では、自然に舌側矯正などの比率が高まることになったのだと思います。
- 裏側矯正で治療できる範囲はどのくらいなのですか
不正咬合全体の8〜9割の症例に適用できると思います。
多くの先生方の長年の努力により、舌側矯正の確実な治療の進め方が確立されてきましたので、適応症、治療期間や治療結果など、現在では表側矯正とほぼ同等と考えてよい状況になっていると思います。ミニスクリュー(インプラント矯正)の併用が一般的になったことも、裏側矯正での確実さが向上され、適応を広げる要因になったと思います。
実際の治療の中では、不正咬合のタイプによっては裏側矯正の方が有利と感じる症例も多々あります。一方、表側からのほうが治療に有利な症例もありますので、初診のご相談や診断などの際にはそのような点も率直にお話をしています。また、装置を着けたときの舌の痛みや口の中の違和感という点は、やはり表よりは裏側の装置ほうが強いので、また、ご職業、楽器、スポーツなどといった日常生活での事情も患者さんにより異なりますので、そのようなご説明もおこなったうえで、装置が見えないことのメリットとどちらを優先するかを考えて頂くようにしています。
- インビザライン(マウスピース矯正)についてはいかがですか
マウスピース矯正のなかでインビザラインは、歯の移動の予測性や確実性が高く、適応範囲の広い治療システムのひとつと考えています。当院では、インビザライン単独で治療が可能な不正咬合では、インビザラインでの治療も活用しています。
マウスピース矯正は着脱式の装置なので、歯磨きのしやすさや、食事や発音への影響の低さは、大きなメリットだと思います。一方、患者さんが毎日きちんと装着してくれなければ治療が進まないこと、また複雑な治療ではブラケット装置の併用が必要になる場合もありますので、不正咬合の状態や、患者さんのライフスタイルなど考慮したうえで矯正装置を選択します。
インビザラインの治療ではブラケット装置の併用を必要とする場合は、治療の円滑さを考慮してむしろ裏側矯正での治療を検討していくことも多々あります。矯正装置によって得手不得手やメリット、デメリットが異なりますので、矯正歯科としては、患者さんのご希望を叶えつつ確実な治療ができるように柔軟に選択することが大切だと考えています。
- 表側の装置でも、今は白や透明の目立たない装置が種類豊富にあるのですね。
近年では前歯の部分には、白色や透明のブラケットを使用するのが普通と思いますので、当院では、前歯には金属ブラケットは使いません。またワイヤーも、目立たない色にコーティングされたものをできるだけ使用するように心がけています。
通常の表側の矯正ではセラミック、ジルコニア、人工サファイアなど、さまざまな色調のものから、ご自分の治療に使用するブラケットを患者さん自身に選んでもらったりもしています。
一方、矯正治療の確実さや円滑さを犠牲にしてまで、装置の審美性にこだわることになると治療全体にマイナスになる場合もでてきます。現在では裏側の矯正やインビザラインなど、様々な選択が考えられる中での表側の矯正装置ですので、表側の矯正装置では、治療の円滑さを最優先したうえで、装置の審美性も最大限大切にしていくというコンセプトで材料選択をしています。たとえば、前歯のかみ合わせが深い症例の下顎前歯や外科矯正など、硬いセラミックブラケットでは歯を痛めるリスクが心配される治療では、同じ白い審美ブラケットでも材質をプラスチック系のものを使用するなどの配慮をしています。
- 矯正では、どんどん新しい技術や治療法が開発されているようですが、それらはやはり有効なものでしょうか。
矯正治療に限らず新しい技術というのは、玉石混交なものだと思います。でもその中には、次世代の標準となるような優れた技術もたくさん含まれているので、しっかりと情報収集して、「これは良さそう」と思うものをしっかり見極めていくことは大切だと思っています。
実際の治療の現場ということでは、以前からの確実なやり方をきちんと大事にするということと、新しい技術を利用するということのバランスが重要だと思うので、様々な新しい技術の利用の仕方、実用度などを見極め、良い治療結果につなげていく責任が私たち専門家にはあると思います。
「インコグニート」や「インビザライン」などは、従来の矯正治療で煩雑な手順を要した部分を、IT技術の利用によりカバーした好例だと思います。だからといって矯正医のスキルが不要になったということではありませんが、既存の歯科治療に新技術が加わることで、今まで個人の「熟練」に頼らざるを得なかった部分が補われ、高度な治療技術が一般的なものになっていくこと、同時に患者さんのストレスも軽減されていくことが、新しい技術を導入するメリットだと思います。
最近では、粘土のような印象材で歯型をとるかわりに、3Dの口腔内カメラで最初からデジタルで撮影する技術が一般化してきています。数年のうちには矯正治療でも利用できるようになるようなので、私もとても楽しみにしています。
- そういった新しい技術も含め、今は様々な矯正の情報がインターネットに溢れていて、患者さんは迷ってしまっていると思いますが、治療を始める方にアドバイスを頂けますか。
矯正治療を開始されるにあたり一番重要なことは、それぞれの患者さんに最も適切な方針で矯正治療を始めるということ、また、その治療方針と患者さんの希望とがきちんと一致しているということだと思います。インターネットでの情報が豊富な時代となっても、この件の専門家である矯正医・矯正歯科の診察を受けて相談をするということが基本、ということには変わりないのではないかと思います。
インターネットは、矯正治療とは一般的にどのようなものかという概要などを含め、一般論的な情報を収集するのに最適だと思います。受診した矯正歯科での話だけでなく、様々な一般論と簡単に比較できるということは現代のネット社会のメリットと思いますが、一方で、個別の患者さんに合わせた情報収集は基本的に困難なので、ネットで得られる情報に振り回されすぎることになるとデメリットが目立ってくるかなと感じるときもあります。
情報収集のしかたを間違って自分にとって都合の良さそうな情報ばかり集めてしまうと逆に、「自分に適した治療のしかた」ということからかけ離れていってしまう場合もありますから、できるだけ広く情報収集されることで「大多数の矯正医の平均的な意見」「一般的な考え方や手順」などを把握されて、自分に合った方法を選ぶ「補助」とされると良いと思います。
初診のご相談の際に私たちは、できるだけ患者さんの現状にあわせたお話をするようにしています。それでも、最終的に確定的なお話をさせていただくには、きちんと検査をすることが必要になるものですので、やはり、矯正歯科にてしっかりとご相談されることが一番大切、近道であると思います。
- 治療にお忙しい毎日と思いますが、お休みの日などはどのように過ごされているのですか。
あまり趣味と言えるものがなく、結局、矯正が面白いので、それが趣味というか生活そのものになっているように思います。
大学時代の同級生と行っている勉強会では、歯周病やインプラントの専門家がいますので、そこで得られる情報は矯正専門の僕にとっても大変プラスになっています。歯科全体のなかで矯正治療がどのようにあるべきか、包括的な治療の見方が鍛えられますので、矯正治療の方針を立てるうえでもとても役立っています。
他にもインコグニートの勉強会にも参加させていただいています。こちらではインコグニートの中心的な医師が集まっての情報収集や発信を行っているのですが、厳しいですが学ぶことが多く、非常に勉強になっています。
- 本当に矯正一筋の毎日なのですね。
大学の臨床実習でいちばん面白いと思ったのが、矯正を専門とするきっかけでした。矯正治療では、とても複雑なようにみえる問題を、実は単純なことの積み重ねでパズルのように解決できるのが面白いと感じて矯正医を選びました。
矯正一筋というと大げさですが、矯正治療は苦しいことも多いですが、やはり楽しいです。患者さんとは、治療を通じて長期間のお付き合いができますので、それも楽しみの一つだと思います。
当院では、毎回の治療時の口腔内写真を撮影して患者さんにもみていただいています。矯正治療での、少しずつの変化の積み重ねを患者さんにも知っていただくこと、現時点での進行状況や、治療の目標、目安、といったことを常に患者さんと共有するようにしています。長期に及ぶ矯正治療は患者さんにとって大変なものだと思いますが、矯正の楽しみの部分も患者さんと共有していきたいと考えています。
- どうもありがとうございました。
宮崎先生は新進気鋭の若いドクターという雰囲気と同時に、ほんわかした癒し系のイメージもお持ちで、患者さんが安心感を持たれるのがよく分かりました。常に新しい技術に目配りしながら勉強されている様子は、歯科医師という職業の厳しさを感じましたが、それが「楽しい」とおっしゃるところが頼もしい!
奥様とドクター二人体制の医院は清潔感に溢れていて、患者さんも気持ちよく治療ができることでしょう。今後のますますご活躍を期待いたします。
目黒青葉台矯正歯科クリニック(詳細情報・初診予約ページはこちら)
医院所在地 | 〒153-0042 東京都目黒区青葉台1-18-7 プラウドフラット中目黒 109 |
最寄り駅 | 東急東横線・東京メトロ日比谷線:中目黒駅 徒歩5分 |
連絡先 | 初診予約専用ダイヤル:050-3000-4520 |