りょうかわ矯正歯科クリニック

院長:両川 弘道
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掲示板や質問コーナーなどで、院長先生の回答に「舌側矯正はお勧めしない」「美容外科には行かないように」という言葉が何度か出てくる。そのあたりのことを詳しくお伺いした。

― 舌側矯正をお勧めしないそうですが、その理由を教えてください

私の側から言うとね、まず面倒臭い。(笑い)

と言うのは、歯の裏側に装置を着けるのはとても大変な作業で、正確な仕事ができるとはとても思えないということです。

もう一つは、上の歯の裏側に装置がついていると下の歯を咬み合わせた時に上の装置と下の歯が当たりますね。単純に考えても、上の出ている歯を治すのにその装置の分は下がらないということになります。60点70点の程度で終わらせて患者さんも満足ならいいのでしょうが、100点までならないと矯正をやる意味がないと私は思います。

でも、先に述べた「真理は一つじゃない」ということに繋がりますが、患者さんのなかには「見えない矯正」というのを第一に望む人がいるので、舌側矯正をやる先生がいるというのは、否定はできないと思います。

― 美容外科、審美歯科をお勧めしない理由を教えてください

審美歯科などでは、自分の歯の根だけ残して、そこに作った歯をキャップのようにかぶせていくという方法をとります。人工の歯ですので、どれだけ保つのか不具合がでないか疑問点は多いですね。歯というのは、加齢とともに色が変わったりしますが、人工の歯は年をとらないから色が変わらない。並んでいると変な感じですね。先々のことまで考えて選択をすべきだと思います。

ただ、我々矯正の世界でも美容外科と同じような考え方をしているところもあります。審美歯科を絡めたようなね。舌側矯正というのもその一つです。それを望む患者さんというのは、矯正をしたいけれども人に見られたくない。何故矯正したいのかというと、綺麗になりたいという。咬み合わせってことじゃなく美容の問題な訳です。それはそれであってもいいけれども、やり過ぎると毒を流すよと言いたいですね。やってても治らない、逆に顎が痛くなる等というのも結構ありますからね。全部が全部否定はできないけれども、私はやらない。紹介もしない。ただ、こういうところに行ったらやってもらえるよとは言いますけどね。私は関係したくないです。

― 金属の装置と樹脂の装置。歯の動きに違いはありますか

材質的にどちらがいいかというと、金属の方がいいです。と言うのは、水の中で包丁と包丁がぶつかったら滑りますね。金属と金属は水を介したらすごく滑りがいいんです。プラスチックと包丁だったら、まな板と包丁みたいなもので滑りが悪い。ブラケットが歯に固定されていて、ワイヤで歯をしめて動かす時に、滑りがいい方が歯の動きがいいんです。それで金属の装置の方が早く動くし、正確な仕事になるという訳なんです。