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    [135] 矯正の方法について-

    ■親質問/質問引用/メール受信=OFF■

    □投稿者/ ごまこ -(2001/03/04(Sun) 17:24:58)
    □U R L/

      私は29歳で、八重歯に乱杭歯しかも噛み合わせも悪く、奥歯の親知らずの前の歯もゆがんで生えています。親知らずは上のみ見えかけている程度で、下は完全に歯茎の中です。

      親知らずが原因で他の歯を押して歯がゆがんで生えてくるので、親知らずや奥歯を
      抜くことによって、ゆがみを直して矯正する方法があると本で見ました。

      第一小臼歯を抜かないで矯正する事は、特別な病院でないとできないのでしょうか?







    [136] Re[1]: 矯正の方法について(成人期、抜歯を考える症状?)-

    質問引用/メール受信=OFF■

    □投稿者/ 小石川矯正歯科クリニック -(2001/03/05(Mon) 10:27:50)
    □U R L/ http://www.koishikawa.com

      現在の状態: 
       29歳、八重歯、乱杭歯(叢生そうせい:永久歯の生える隙間が足りなく歯が重なりあったり、ねじれたりしている状態)、奥歯の親知らずの前の歯が傾いている(近心傾斜きんしんけいしゃ、前の方=近心きんしん、後方=遠心えんしんといいます)、下の親知らずは完全に歯茎の下にある(埋伏歯まいふくし、何らかの原因で歯が口の中に生えてこれず骨の中に埋まってしまっている状態をいう)。
       ごまこさんの場合、咬んだ時上顎が突出している、あるいは反対のかみ合わせである、奥歯だけかみ合い前歯で物がかみ切れない、などの症状を合わせ持っていないとすれば、先に書きましたように<叢生=乱杭歯>の状態が主な症状と考えられます。

      治療について(歯を抜くか?抜かないか?の判定をどのように考えるか?):
       このような叢生の状態を改善するためには、その歯並びにの窮屈な状態(叢生の量=既存の歯が重なり合がなく整然と並ぶために必要とされる量の過不足度)によります。例えば、上の歯列(しれつ、歯の並んでいる形=歯並びの全体的な形)を例に取りますと、歯列のまん中(正中せいちゅう)から片側の歯の並びに、歯が整然と並ぶための隙間が5mm以上不足しているようであれば抜歯を考える可能性が高くなります。それでは2mm程度であるとすればどうかというと抜歯をしないでも何とかなるのではないかと考えることもあります(いずれもある例です)。
       主に歯の配列に要する量(mm)の不足の程度で抜歯や抜歯をしないで(非抜歯ひばっし)治療するかを判定することになりますが、この要素に口元を後方に下げたい、あるいは前歯の歯の傾きをどの程度改善するか、などの要素も検討し決定することになります。これらの関連検討事項を簡単にまとめると次のようなことです。
      <抜歯判定の検討事項>
      (1)歯を整然と配列のために必要とされる量
      (2)前歯などの傾きの改善量
      (3)口元(上下の唇部)の後退量
      (4)上下の歯の適切なかみ合わせを確立するために移動する歯の移動量

      それでは<ごまこさん>の場合:
       どちらで治療を行うとしても、上に書いた内容の説明を確認して抜歯、非抜歯の治療を行うようになるのではないかと思います。抜歯症例と判定されると多くの場合、第一小臼歯が選択されることが少なくありません(教科書的な、典型的な抜歯部位)。
       抜歯部位については、ごまこさんが考えているように第一小臼歯でなく、<親知らず>を抜歯して、それより前方にある歯を時間をかけて後方に移動し治療を行うこともあります。この判定は前述しましたようにあくまでも総合的な判断といえましょう。坦当医と相談して下さい。
       またこのような親知らずを抜歯して、第一小臼歯の抜歯をしない病院は特別な病院でないとできないのでしょうか?という質問については、矯正医であれば患者さんの希望を考慮し、基本的にはどこでも考えてくれると思います。
       最近、親知らずを抜き(抜歯)、他の歯は抜かない=どうだすばらしいだろう!というような一部の矯正医側の主張を本やマスコミを通じアピールしている状況を見ます。私の所でもそのような相談を数多く聞きます。しかし、このような主張は特別なことではありません。多くの矯正医は昔からできるだけ抜歯を避け治療を考えてきました。放置しておけば抜歯になる症例症状を、色々な治療技術を駆使し、非抜歯で治療を終了した例などは数多く報告されていますし、現在も遂行されています。これらの主張を批判はしませんが、迷惑であることは私だけではないと思います。

      おわりに:
       ごまこさんも悩みますね。でもメールの内容からこのまま放置するのもよくないのではないでしょうか?。治療費、治療期間、使用する装置、色々考えることもあります。治療をする、しないにかかわらず、一度相談されたらどうでしょうか?。
      心配ならまたメールして下さい。
       矯正治療に限らず、歯科治療を行うクリニックを選ぶ基準は、従来の近いから、便利だからとうことから、いかに先生方の説明、料金などに対する納得度が得られるかというように変わってきています。これは必然的なことです。頑張って下さい。




    [138] Re[1]: 矯正の方法について(成人期、抜歯を考える症状?)-

    質問引用/メール受信=OFF■

    □投稿者/ ごまこ -(2001/03/06(Tue) 22:09:30)
    □U R L/

      お忙しい中とても分かりやすいアドバイスありがとうございました。


      結婚や転勤そして第一子出産となかなか矯正の機会を逃してきました。
      子供も1歳半になったのと、次の転勤先で3年ほど留まるであろうという事で
      今しかないと色々と調べていました。

      先生のアドバイスはとても参考になりました。
      単純に本を信じ、本に載っている歯科医院でしかそのような治療ができないものと
      考えておりました。悩み多き矯正を考えている者としては、できる限り抜歯なしで
      治療できたら・・・と考えているところに、そういう内容の本を見るとついつい信じて
      しまいました。
      著者の先生も嘘を言っている訳じゃないけれど、その本を読んだ人の中には、
      是非ともその先生の治療でなければと思ってしまう人もいる事と思います。私も
      その一人になりそうだったのですから・・・。

      インターネットがあって良かったです。転勤までに、矯正した人の意見等々調べて
      慎重に自分にあった病院探しができればと思います。
      ちなみに関東転勤の暁には先生の病院に行くことができればと思っております。





    [173] Re[2]: 矯正の方法について(成人期、抜歯を考える症状?)-

    質問引用/メール受信=OFF■

    □投稿者/ ごまこ -(2001/04/20(Fri) 15:13:19)
    □U R L/

      お忙しいところ申し訳ありません。

      先日、左奥歯が痛んだので実家近くの歯科医院で診て頂いたところ、風邪や疲れ
      から、歯茎が炎症をおこしているとのことでした。
      10年前に7番目の歯の上に半分歯茎が覆いかぶさっていたところを切開してもらったのですが、その部分に磨き残しがでていたようでした。幸い細かいところを磨く歯ブラシの
      おかげで痛みは消えました。

      しかし、先生に診て頂いた時にレントゲンで私の親知らずが真横に傾いていて、
      しばしば痛むならこの歯が押しているかもしれないので、様子をみましょう。との
      事でした。「抜歯する時は、大学病院で骨を削って抜きましょう。」と言われました。
      その時、矯正することを考えている事も伝えたところ、(先生は小児歯科の先生)
      矯正するなら、「親知らずは抜歯しておいた方がいいのでは。」との事でした。

      完全に骨の中に埋まっている親知らずは抜歯した方が良いのでしょうか?
      年をとってそのままにしておいたら、どうなるのでしょうか?
      骨を削って親知らずを抜くと前の歯もダメにならないか心配です。
      もし、矯正するのに必要ならば、実家が近い今のうちに1本だけでも抜いておいた
      方がいいと考えているので、よきアドバイスをお願いします。




    [174] Re[3]: 親知らずの処置?抜歯?-

    質問引用/メール受信=OFF■

    □投稿者/ 小石川矯正歯科クリニック -(2001/04/20(Fri) 18:51:07)
    □U R L/ http://www.koishikawa.com

      おひさしぶりですね。お元気ですか?。さて今回の質問は、前回の矯正治療との兼ね合いで重要な内容と思われます。
       <親知らずの抜歯について?>
       親知らずについての一般認識は、抜歯しても構わないのではなかろうか、ということを多く聞きます。確かに歯科医師側も親知らずは抜歯しても差程問題にはならないであろう、との不明確な認識があることは否めません。
       ごまこさんの今回の症状からすると抜歯しておいてもよいのではないかと思われます。その理由は(1)レントゲン写真(エックス線写真)で今回抜歯を考えている親知らずが、真横に傾いており生えてくる可能性がほとんどないこと、(2)親知らずの前にある歯が痛む(炎症を起こす)という症状が見られたこと、(3)すでに生えている歯が乱ぐい歯の様相を呈しており、もともと歯の生えてくる顎の大きさと歯の大きさとに不調和が見られていること、これらのことから通常、罰し処置を考えることは少なくありません。
       骨の中にある訳ですから、歯肉とその下の骨の一部を削除し親知らずを抜歯することになると思います。このような処置については開業されている先生達も積極的に抜歯をされますが、患者さんの管理上、大学病院や市立病院などにある口腔外科で処置を行う方がよいかも知れません。


      <質問に対するアドバイスのまとめ>
      1.ごまこさんの場合は、親知らずを抜歯してもよいだろうと思われます。
      2.抜歯せずにそのまま放置ししておいたらどうなるのか?
       最近経験した親知らず周辺の痛みなどが周期的に生じたり、7番目の歯(第二大臼歯)の後側などが虫歯になりやすいような状況を引きづって行く可能性は高いかも知れません。痛みや歯肉の腫れ(炎症)、虫歯などが気になるのであれば抜歯も仕方ないかも知れません。
      3.親知らずを抜くと前の歯も悪くなるのでは?
       親知らずをもし抜いたとすれば、少なくともその前の歯(7番目)は歯の掃除がしやすくなること、例え虫歯になっていた、あるいはその傾向があったとしても予防的な処置がしやすくなるのではないでしょうか?。従ってむしろ7番目の歯にとってはよいことになるかの知れません(現在の状況が分かりませんのであいまい
      な表現にはなってしまいます)。

      <親知らずの抜歯に対する注意>
      1.骨の中に埋まっている親知らずは、下顎神経が入っている下顎骨の中にある管の近くに位置していることが少なくありません。従って親知らずを抜く時、この神経の管を少しいためますと、時として唇の周りに軽いしびれ感(正座を長くした後、立ち上がると足に何ともいえないしびれ感を感じることがありますがそのような感じのしびれです)を残すことがあります(多くの場合、時間とともにそのしびれ感は消失してゆくともいわれていますが)。従って、抜歯などが専門の口腔外科での受診が望まれます。
      2.親知らずの前にある歯が、すでに何本かない場合、このような場合には親知らずを抜歯し、その親知らずを、その前にあるすでに歯のない部分に移植する処置がとれる可能性のある場合には、抜歯した親知らずを利用することもあります。従って、ごまこさんのような場合はともかく、人によっては親知らずの再利用という考えもあります。
      3.文化的な違いもありますが、米国では安易な親知らずの抜歯に対してはよく考えることを提唱しています。
      4.矯正治療の処置の方法では、親知らずを上手に生えさせ、その後、かみ合わせの一員として利用することも可能な場合があります。

      <おわりに>
       私的な意見ですが、親知らずにも、親知らずの存在理由があるのではないかと思います。現在の歯科医学では親知らずに対しては冷たいですが、これから先はもしかしたら重要な歯になるかも知れません。私もよくよく考えてから親知らずの抜歯を決めています。
       では、また何かあればどうぞ。


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