治療の開始時期
初めて矯正歯科を訪れるのは、いつがいいのでしょうか?
――答えは「いつでも大丈夫」。
学校の健康診断で不正咬合を指摘された時―、自分で鏡を見ておかしいなと気づいた時―。
矯正治療に年齢制限はありません。歯並びやかみ合わせに疑問を持ったとき、その時が矯正歯科に行く、一番良い時なのです。
ただしその時が、乳歯だけが生えている乳歯列期、乳歯と永久歯が混ざっている混合歯列期、永久歯だけが生えている永久歯列期、どういう時期かによって、治療法はまったく異なります。
乳歯列期から始める治療
乳歯列期から治療を開始することは、長期的に通院しなければならず、肉体的にも精神的にも負担が大きいためお勧めできませんが、舌を突き出す癖や指しゃぶりがやめられないなど、将来的にかみ合わせに悪い影響が出そうな癖がある場合に、それらを改善するアドバイスを受けます。通院は、半年〜一年に一度、経過を観察する治療が多いようです。ただし、症状によってはこの時期に治療を開始しなければならないものもあります。
混合歯列期から始める治療 1
顎骨の成長期ですので、骨格の改善が必要な方は治療を開始します。前歯の反対咬合の改善や、永久歯が生えるスペースを確保するなどの治療が多いようです。この時期にする治療を「1期治療」と言います。軽度の不正咬合の人は1期治療のみで治療が終了します。
1期治療のみで治療終了となる人もいれば、その後すべて永久歯に変わるまでの間、経過観察を続け、永久歯列期に本格的な矯正治療(2期治療)を開始する人もいます。
混合歯列期から始める治療 2
1期治療終了後、すべて永久歯に変わるまでの間、経過観察を続け、永久歯列期に本格的な矯正治療(2期治療)を開始する人もいます。1期治療をすることによって、2期治療が短期間で終了したり、2期治療を効果的に行えたりします。
永久歯列期から始める治療
この時期以降は、顎骨の成長も落ち着いてきて、骨格面での矯正は難しいですが、反面、歯の移動計画を立てやすくなることも事実です。精神面でも容貌が気にかかるようになり、自主的に矯正治療に取り組む人が多くなります。
成人してから始める治療
親知らずが生えてきたり、むし歯や歯周病で歯を失ったりすることが、それまで気にならなかった歯列に影響を及ぼしてくる場合があります。顎骨の成長はとまっているため、抜歯して治療をすることが多いようですが、矯正治療のメリット・デメリットを自分自身で理解して治療を始めるので、治療は比較的スムーズに進みます。