文京(小石川)先生の「みんなの疑問Q&A」
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[318] 抜歯について。- ■親質問/質問引用/メール受信=OFF■ □投稿者/ M -(2001/11/06(Tue) 22:18:47) □U R L/ こんばんわ。以前相談させていただいた者です。 先生のアドバイスもあって、やる気になり 以前通っていた矯正歯科医と相談した結果、噛み合わせがずれている ということで、再矯正をすることにしました。 一回目は抜歯をしないでやったのですが、今回は犬歯の後ろの歯を 四本抜歯することになりました。 そこで、私の両親が抜歯の影響というものをとても気にしています。 知識がないので、基本的なことを聞くかもしれませんが、抜歯をすると 必然的に神経をとる、ということなのでしょうか。 矯正歯科医に聞いたところ、私の質問の仕方が悪かったのか、 神経は関係ないと言われたのですが…。 それと下の二本の親知らずが歯に向かって生えていて、(まだ埋没しています) それが影響してるらしく抜かなければならないと言うことなんですが、 歯を6本も抜いて大丈夫なんでしょうか。 特に両親は神経を抜くことに嫌悪感があって、私も知識がないために 神経は関係ないと言われたのを抜かないと両親にいってしまったので 困っています。 でも、すでに上下四本の奥歯にバンドをいれ、抜歯できる状態にあります ので今更神経を抜くからと言ってやめるわけにも行きません。 それと抜歯で心配していることが、顎が小さくならないのかと言うことです。 四本も抜くわけですから、口が小さくなったり、舌が窮屈になって 前歯を押したりしてまた歯並びが…と言うことも心配しています。 神経と抜歯が健康上与える影響と顎について教えてください。お願いします。 |
[319] Re[1]: 抜歯について。心配なこと(神経、口の容積、歯の本数の減少)- ■質問引用/メール受信=OFF■ □投稿者/ 小石川矯正歯科クリニック -(2001/11/07(Wed) 09:39:54) □U R L/ http://www.koishikawa .com <現在の状態、心配なこと?> 4本抜歯を行い、いよいよ治療の開始、ということですね。治療に伴う心配としていくつかの点を挙げられていますのでアドバイスを行います。 (1)抜歯をするということは、神経もとってしまうということですか? 抜歯をすれば、Mさんがいうように必然的にその歯に関する神経はなくなります。すべての神経がなくなるわけではありません。神経が抜歯処置に伴い、断裂されたと考えてよいでしょう。しかし、抜歯された歯に関する神経のみですから特に心配はないと思われます。断裂部の神経はその後修復されてゆきます。 (2)4本抜歯に追加し親知らずをあと2本抜歯することになるが、6本抜歯しても大丈夫なのか? 治療上、仕方のないこと(理屈に合った)であればそうすることもあります。歯の本数が少なくなること自体はよくないことですが、そのような治療によって得られるプラスが多く予測されればそうすることになると思われます。この親知らずの抜歯に関しては次の、口の中の容積(舌がおさまっている空間の容積という意味)が減るのか?、という項で再度確認します。 (3)口の中の容積が抜歯により減少するのでは?そのことによりまた舌が上下前歯を前方に押し、結局安定性に欠けるのではないか? 確かに抜歯をすれば、口の容積は減少します。そのため上下の口唇が後方に下がり、口元はスッキリしてゆくわけです。この場合、前歯が後方に下がるとともに、舌による発音や咀嚼機能(そしゃくきのう=食べたり飲んだりする時の機能)荷も影響があるかといえば、あります。しかし、多くの場合、治療とともに舌の動き(運動)は新しい環境にな裂行くと考えられます。この慣れてゆく能力に欠ける時には、新たに舌のトレーニングというようなこともします(詳しくは省きますが)。この当たりは、先生に直接意見をきく方がよいでしょう。 (2)で触れましたが、親知らずの抜歯は必要ならばしますが、抜歯した隙間の後方にある歯を少し前方に移動するような治療計画ならば時として、親知らずを上手に生えさせる方法も考えなくはありません。水平に埋伏(うもってしまっているような状態をいう)しているような状態の歯も歯肉を切り、その下の骨の一部を削り、口に中に牽引(けんいん=引っ張り出すこと)することも考えられます。抜歯をした空隙の後方にある歯は、今の位置にとどめておく(前方に動かさないという意味)ということであれば、やはり親知らずは抜歯される可能性が高いと思われます。 先生によっては積極的な親知らずの抜歯を行わず、様子を見てゆき必要場合に始めて抜歯を計画する方、あるいは4本抜歯を行わず、むしろ上下左右4本の親知らずを抜歯し、その前の歯は抜かず親知らずの前のある歯すべてをていねいに後方に移動することを考える先生もいます。この当たりの判定は。どれが適切であるかどうかはかく先生方の判断におうところが少なくありません。 <Mさんへ> 先生には、 (1)歯を抜いた後の隙間を閉じる時、抜いた歯の前方にある歯の後ろ方向への移動で隙間が閉じられるのかどうか?ということで質問すれば、親知らずの処置に対する基本的な先生の考え方が理解できると思います。空隙より前にある歯を統すべて後方に移動することで、その隙間を閉じるということであればMさんが心配するような治療後、舌が前歯を押すような状況が新しく位置付けられた前歯は少し安定性に欠ける傾向を持つかも知れません。口元は下がりますが、そのことによる考えられる影響にはどのようなことがありますか?ときかれることも必要かも知れませんね。 いずれにせよききたいことは何でもきく庄有漢を持つことが大切です。 またなにかあればどうぞ。 |
[320] Re[1]: 抜歯について。心配なこと(神経、口の容積、歯の本数の減少)- ■質問引用/メール受信=OFF■ □投稿者/ M -(2001/11/07(Wed) 19:26:29) □U R L/ お忙しい中ありがとうございました。 先生のアドバイスを聞いて、安心しました。 また神経についてですが、(知識不足ですみません) 神経が歯から断裂する、ということはつまり 神経と言うのは歯の中にだけあるのではなくて、歯茎の中にも つながっていると言うことなのでしょうか。 虫歯の治療の時にとるという神経は歯の中にあるものだけなのですか。 両親に聞いたところ、両親の友人のお子さんが矯正をするために 抜歯をしたら自律神経がおかしくなりイライラしたり凶暴に なったと言う話を聞いたらしいんです。 もちろん、抜歯が原因だと言う根拠もありませんし、私もそのことだけが 原因だとは思っていません。 ただ、私が女性で将来更年期の時のことも考えると神経を抜いていいものか と考えているらしいのです。 やはり、歯の神経も少なからず自律神経に影響を与えるものなのでしょうか。 それと、今後の治療についてなのですが、以前書いたように、私は出っ歯ではないの ですが、前歯とその横の歯四本が少し前に出ているため下の前歯との 隙間があって麺類が噛み切れないという状態です。 恐らく、上の歯はそのまま後ろに下げるのだと思います。(口元も少し出ている と言われたので) 下の歯は、抜いた歯の後ろの歯を前に出すと言っていました。 と言うのも、下の前歯はラインが大体きれいに揃っているのです。 そして、噛み合わせは上と下の奥歯が1本対2本で噛みあっていなくて 1本対1本で噛み合っているので歯と歯の間にひし形の隙間があります。 下の親知らずに関しては歯に向かって生えていて、奥歯がそれによって 傾き始めているということで、まだ埋没していることもあり口腔外科で 抜いてもらうようにいわれています。 元々顎が小さいので、これ以上歯並びのラインを小さくさせると 舌のことが心配です。ところで、舌の正常な位置とはどこになるのでしょうか。 色々質問してすみません。抜歯をする前に不安なところを解消して すっきりさせたいのでお忙しいとは思いますがよろしくお願いします。 |
[321] Re[2]: 抜歯について。心配なこと:その2(神経、口の容積、歯の本数の減少)- ■質問引用/メール受信=OFF■ □投稿者/ 小石川矯正歯科クリニック -(2001/11/08(Thu) 10:05:25) □U R L/ http://www.koishikawa .com <神経について>」 個々の歯にきている神経には、そのおおもと(幹:みき)があります。上顎には上顎神経(じょうがくしんけい)、下顎には下顎神経(かがくしんけい)があります。さらにこれらの神経のもっとおおもともあります。 ここでは下顎の例を取って説明します。脳の中から出てくる神経群という大きな川があると思って下さい。その大きな川は体の細部まで神経の枝を持っています。個々の歯にある神経は末端の神経の枝と考えれます。枝ですから切っても神経のおおもとにはあまり関係ありません。ちなみに下顎骨の神経を見ると、ちょうど下顎のえらの部分下顎が角ばった所(耳の下方向にある下顎の角ばった所)の少し上の骨の表面から下顎骨内部に神経が入ってきます(下顎神経)。骨の入った神経の流れは、個々の歯に枝をだしその枝が歯の内部の神経となる訳です。従って、抜歯をすると歯とともに神経の枝が切断されてしまいます。切断された神経の枝のさきはそのまま修復されますので、特にその後、異常を来すことはない著考えられます。 <正常な舌の位置とは?> 正常と言葉の定義が実は難しいのですが、正常=適切なと置き換えることにします。この適切な舌の位置ということについては、適切であるという範囲が広く、一概にこの位置であれば、okというわけではありません。矯正治療を行う上での横顔のレントゲン写真を取りますが、この写真からある程度の舌の位置の評価が行えますが、実際に舌の大きさ、動き、のどの奥にある扁桃腺の大きさ、舌の下にあるヒダの長さなどを総合して舌の位置の評価を行います。先生に舌の大きさが適当かどうかをたずねてみたらどうでしょうか?。私自身は舌に対する大きさ、動きに対する評価基準は持っていますが、やはり診ていませんのでコメントできません。 抜歯をすれば必ず(その量にもよりますが)口の中の容積は減少します。その減少に対して、舌の運動機能が適応すれば問題はないと思いますが、適応しにくければ、心配するように舌が前歯をおす状況が残り、治療後の前歯の位置が安定しにくくなるかも知れません。 |
[322] Re[3]: 抜歯について。心配なこと:その3(神経、口の容積、歯の本数の減少)- ■質問引用/メール受信=OFF■ □投稿者/ 小石川矯正歯科クリニック -(2001/11/08(Thu) 13:45:17) □U R L/ http://www.koishikawa .com 訂正:下顎神経の入ってくるのは骨の内側です。表面と急いで書いてしまいましたが間違いです。 |
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