文京(小石川)先生の「みんなの疑問Q&A」
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[890] おしえてください- ■親質問/質問引用/メール受信=OFF■ □投稿者/ としこ -(2003/03/05(Wed) 18:36:33) □U R L/ はじめまして。私は37歳の女性です。 私は下顎が右方にずれており、上顎にも少し変形があります。 交叉咬合がありましたが、その矯正治療は終わっており、かみ合わせ自体は安定しています(ただし正中線は合っていませんが)。 顎のずれが気になっていたので、以前お世話になった矯正歯科で見ていただいたところ、「顎変形症」と言われ、手術を勧められました。そこで検査を受けて再度お話を伺ったところ、そのときに「かみ合わせは安定しているので、見た目だけの話ならオトガイの部分を切るだけでもよいのでは?手術をしてかえってかみ合わせが悪くなることも考えられるし、そうなるとまたさらに矯正で時間がかかります・・・」と言われました。 先日、大学病院の口腔外科で見てもらったところ「上下顎の手術でgoでしょう」といわれ、また「オトガイの部分だけもできます」との話もありました。 長く書いてしまって申し訳ありませんが、以下のことについて教えていただきたく、お願いします。 1.私のようにかみ合わせが安定している場合の術前矯正については、どれだけの期間が必要なのでしょうか。歯科では少なくとも半年と伺いましたが、そんなにかかるのでしょうか。(正中線を合わせようとまでは望んでいません) 2.また、術後かみ合わせが不安定になってしまうことがあり得るのでしょうか。それは普通に起こりうることですか。 3.私は下顎の左右の長さも違っていますので、手術の際には左右の長さも調節されるだろうと思いますが、顎のえらの角度自体は手術では直しようが無いため、かえって顔貌が不調和になることはありませんか。 4.オトガイの部分を切った後でも、上下顎の手術はできますか。 本来なら、受診した口腔外科に問い合わせるのがすじですが、都合でなかなか問い合わせする時間がとれないので、こちらの掲示板でお願いさせていただきました。よろしくお願い致します。 |
[891] Re[1]: おしえてください- ■質問引用/メール受信=OFF■ □投稿者/ 小石川矯正歯科クリニック -(2003/03/06(Thu) 09:07:37) □U R L/ http://www.koishikawa.com <矯正治療を終了し、その後顎変形症の処置を検討している?> 手術前の咬合状態の基本は、手術して上下の咬合が求められる咬合(咬み合わせ)にどのくらい近い状態であるかが獲得されているかどうかです。今の状態の咬み合わせが良好でも、手術を想定した咬み合わせを考えると、再度交叉咬合の状態を作り、その後、手術となることは少なくありません。折角、今の良い状態を、なぜまた交叉咬合のような状態をつくり出さなければならないかといいますと、手術の仕方、患者さんの希望を聞き入れると、そのような手術前の状態が必要と鳴子ともあるからです。むろん今の状態で(手術前の交叉咬合のような状態をつくり出さなくてよい場合もありますが)、できるだけ早く手術に移行することもあると思います。このあたりの質問はやはり、現在の矯正担当医ならびに上下の骨切り手術を提案した気かの先生に聞かれることが望ましいと思います。時間を見つけて病院に出向いて下さい。 1.について これは、どのような手術を行うのか?その手術の方法により、手術前の矯正をどのように行うかによります。やはり早くとも半年ぐらいの時間が必要と思われます。 2,について 咬み合わせの安定性はデリケートなものです。従って、手術の後も、手術後矯正ということでやはり早くとも半年ぐらいかかると思われます(入院時とその後顎の状態が良くなるまでの1〜1か月半ぐらいの期間は除き)。必ずしも過度の不安定感は残らないと思いますが、術後の矯正は必要でしょう。 3.について これは、あります。従って、その後、えら(下顎角かがくかく)の部分の2次的な修正をされる方も少なくありません。多くは形成外科等で行われている様です。 4.について オトガイ部の手術後、も上下の顎切り手術はできますが、先に上下の顎切り手術を行い、その結果をみて、顎の非対称性、オトガイ部やえらの部分の形態を考え、必要であれば2次的な手術を考えた方がよいとも思われますが。 担当医とよく相談して下さい。 |
[893] Re[1]: おしえてください- ■質問引用/メール受信=OFF■ □投稿者/ としこ -(2003/03/06(Thu) 20:11:39) □U R L/ ていねいに回答していただき、どうもありがとうございます。 質問させていただいた3番目の項目のお答えの中の、「二次的な修正」ということは全く予想していなかったので、ちょっとした衝撃でした。 自分自身の希望としては、やはり長い間のコンプレックスであった部分なので、今よりましにしたいのです。ですので、手術したいなあと思っています。 ただ、私事ですが、小さい子どもがいるので顎の治療が長期化するのをさけたいのです。そのため、オトガイの部分だけ(矯正の必要もなく、手術のための入院も短期ですむからと伺いました)の方がよいのか・・とも思って、どちらにするか、非常に迷っています。 1.私のような顎変形症のケースはそう多くはないのでしょうか。 2.また、そのような方は、どのような選択をされたのでしょうか。 3.文面だけでは判断できかねるとは思いますが、先生が仮に私の治療を担当されるとしたら、どちらの方法を選択されますか。もしくは新たな方法をアドバイスなさいますか。 再び長々と書いてしまって申し訳ありませんが、ご回答がいただけると幸いです。よろしくお願い致します。 |
[894] Re[2]: おしえてください- ■質問引用/メール受信=OFF■ □投稿者/ 小石川矯正歯科クリニック -(2003/03/07(Fri) 08:33:54) □U R L/ http://www.koishikawa.com <追加の質問> 迷う方が普通ですよ。 1.顎変形症は多いのか? 顎変形症の発現頻度に関しては正確な数字を把握している論文はみあたりませんが、顎変形症の受信者は増加しています。この理由は保険で矯正も手術もできるということが最大の理由でしょう。従来は美容外科への相談や治療が多かったと思いますが、病気として認定されてからは口腔外科、形成外科、矯正科等への相談が多くなってきました。統計的には定かでありませんが、公的な手術使節を有している施設(都内)で年間300症例ぐらいの手術を行っていると聞きます。開業している矯正歯科クリニックでこのような顎変形症の公的病院との連携治療(矯正は開業の矯正クリニック、手術は公的な病院という組み合わせ)を行っているところも数多く見られます。 2.どのような治療法の選択をされているのか? 顎変形症の定義は、単に顎の形が悪いというだけでは認定されません。上下の顎骨の成長発育の不調和などが原因で咬み合わせや発音機能の異常が生じたものと判断され、その治療に顎の骨切り手術を要する、というような状況が必要です。従って、単に顎の形が悪いというだけでは保険は適用されず、むしろ美容外科的な治療となり自費となります。 顎変形症と診断された方は、その状況を受け入れ、手術を選択される方と、矯正治療単独での治療を希望される方とに別れます。むろんこのような場合はどちらの治療法もとれる、いわゆるボーダーライン症状です。明らかに手術が必要な方は、その治療受け入れる方がほとんどです。仕事や育児等で迷われる方もいますが、何とか時間を作って治療を受けられている様です。 顎の形の修正だけとなりますと、やはり形成外科か美容外科となりましょう。 3.先生だったら まず診てみないとなんとも言えませんが、やはり顎変形症として対応したほうが良質な治療を提供できるのではないかと思います。この治療であれば希望されている顎の形態も大幅に改善されるような気もしますが?。 |
[903] Re[3]: おしえてください- ■質問引用/メール受信=OFF■ □投稿者/ としこ -(2003/03/09(Sun) 15:02:30) □U R L/ 再度の質問に対するお答え、ありがとうございました。 最後にもう一つだけ質問させていただいてよろしいでしょうか。 上下顎の手術をする前に「二次的な修正」が必要になるかどうか、ある程度判断が付くものなのでしょうか。それとも、手術してみないとわからないものなのでしょうか。また、その修正のための入院治療はだいたいどのくらいの期間でしょうか。 よろしくお願い致します。 |
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