ひるま矯正歯科
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― 康明先生が矯正歯科医になったのは、大先生の影響があったのでしょうか
昔から父と一緒にお酒を飲みながら矯正の概念などについての話を聞いていました。そういう時にこの人は歯医者としてすごくまともな人なんじゃないかと思い、僕も父のような矯正歯科医になりたいと考えるようになりました。
その頃僕は日本歯科大学の学生でしたが、新潟大学の医局に魅力を感じ、そちらに進むことに決めました。普通の医局というのは、担当教授の治療法を支持する人たちが集まるのですが、そこの医局というのは、新潟大学卒でない父達の立ち上げた研究会の支持者が多くいるところでした。僕は矯正治療についての考えの根幹の部分をこの時期に学びました。父から直接学んだわけではないのですが、父の矯正についての考えの流れを汲んだ人たちから学んだという、つまりDNAは同じ、進化バージョンという訳ですね。
― 前回の取材で大先生に非抜歯、裏側矯正、早期矯正治療に対する意見を伺いましたが、康明先生はどうお考えですか
基本的にはすべて同じ意見です。抜歯・非抜歯などは、大学で繰り返し議論を重ねてきた問題で、学会でも必ずそういう議論がありました。僕もできるだけ歯を残したいと思っていますし、親不知もコントロールできるのであれば、歯が32本あってもいいと思っています。しかし、人によっては上10本、下10本になるケースもある。それは顎と歯のバランスの問題で、顎の大きさにちょうど良い歯の本数を考えると結果的にそうなっていたということで、それで良い噛み合わせが維持されているのであれば、それがその人の正しい歯の本数であるということなんです。
しかし、抜歯・非抜歯のレベルで話し合ってちゃいけないんじゃないかとも思います。矯正歯科医のすべきことはきちんとした噛み合わせを作ることであり、重要なのはそれが崩れないということ。僕はその噛み合わせの寿命がその人の寿命を超えてほしいと思っているんです。それらを実現させるために僕らは資料を採り、検証を繰り返す。抜歯・非抜歯はそれらの一手段であり、さらにその先の問題について考察を重ねることの方が重要なのではないでしょうか。
― 大先生と意見が違うこともありますか
もちろんありますよ。僕はもっともっとシビアなゴールを目指したいと思い、院長に伝えますね。でも院長はそこまでするのは患者さんの負担になりすぎると言う。月に何度も来てもらったり治療期間が延びたりするのは申し訳ないと。これは僕の崩せない哲学なのでゴールを変えるつもりは全くない。でもそういう意見を聞くと、ゴールはそこに置いたままで、治療期間を短くするにはどうすればいいのかと考えるようになります。