矯正装置の種類と特徴

ワイヤーのテクニック（スタンダードエッジワイズ法／ストレートエッジワイズ法）

ブラケットを歯に接着しワイヤーを通して歯に力を加え矯正を行う方法を「マルチブラケット法」または単に「ワイヤー矯正」などといいます。同じマルチブラケット法であっても、ワイヤーのテクニックに種類があり、治療効率や治療結果に違いが出る場合があります。ここでは、代表的なワイヤーテクニックであるスタンダードエッジワイズ法とストレートエッジワイズ法について紹介します。

スタンダードエッジワイズ法

矯正歯科医がそれぞれの患者さんの一本一本の歯並びに合わせて複雑にワイヤーを曲げたりトルク（ひねり）をかけるテクニックです。 既製品のアーチワイヤーを使った矯正に較べ、患者さんの個別の症例に合わせて緻密に調整することができますので、「オーダーメイドの矯正」などとも呼ばれ、どんな症例でもきれいに仕上がります。ただし、治療には、医師の熟練した技術が必要です。

スタンダードエッジワイズ法のメリット

• 一人一人の歯の形状に合わせて緻密な調節ができ、綺麗に仕上がる
• 難症例や平均的な顎の形状でない場合など、どんな症例にも対応することができる。

スタンダードエッジワイズ法のデメリット

• ワイヤー調整にやや時間がかかる。
• 医師の技術に負う部分が大きいため、対応している医院が限られる。

ストレートエッジワイズ法

ブラケットを装着した歯に平均値に合わせた形状の既製のアーチワイヤーを組み込んで治療を行う方法です。矯正歯科医が個別にワイヤーの屈曲は行わず、歯を平均的な位置に動かしていきます。
形状記憶合金（ニッケルチタン合金）のワイヤーを用いて、ワイヤーの元の形に戻ろうとする力を利用するものです。

ストレートエッジワイズ法のメリット

• 平均値の既成のワイヤーの形に歯を並べていくので、医師の技術に左右される部分が少なく、一定のレベルが保てる。
• 調整にかかる時間が少ない。

ストレートエッジワイズ法のデメリット

• 個々の症例に合った細かな調整ができず、また、平均的でない顎の形状の場合や難症例には適さない。
• 裏側矯正には適応できない。

「矯正装置の種類と特徴」一覧
金属ブラケット	目立たないブラケット
裏側ブラケット	インプラント矯正
デーモンシステム	ワイヤーのテクニック
透明なマウスピース矯正	床矯正
ヘッドギア	ムーシールド